おもいで・私の保育園時代

なんでもないことを書こう。今うちのてべこは、3歳でもうすぐ4歳になる。私は子供の時、たぶん4歳から保育園に行った。ミッション系の保育園で、その時の記憶はいちばんいろいろと思い出されるので、とても印象的なことばかりだったのだと思う。

クリスマスの時期には、毎年劇をしなくてはいけなくて、内容はいつもイエスキリストの誕生のお話。私の記憶では私は毎年羊飼いの役だった。いちばん人数の多い、その他大勢という役どころだ。目立つことが嫌いだった。今でも記憶に残っているけど、気の強い女の子がいて、マリア様の役を絶対やると言って聞かなかった。すでにマリア様は決まっていたのに、言い出して聞かなかったのだろうか、マリア様は異例の2人になった。私はそんなやりとりや、劇の練習なども、どうでもよかった。まったく興味がなかったので、ぞろぞろと後ろについているだけで、何もしなかった。

そんな私だったのに、その先程の気の強い女の子にいつも目の敵にされ、いじめられていた。なんか文句言われたり、上から馬乗りになって羽交い絞めにされたりしていた。でも、当時それが嫌で仕方なかったとか、この子が大嫌いでとか、そんな感情が沸いていたたまれなかったかというと、そうでもなかった。また、どうでもいい という感情がいちばん近かった。そういうふうに接してくるその女の子に対して、興味がなかったと思う。今思うと、それほど性根の悪い子ではなかったのではと思うので、いろいろ言われてもそれほど怖い思いはしていなかったのだろう。

そして、もう一人、4-5歳とは思えないくらい悪い顔をして、悪いことばかりする男の子がいた。今でも鮮明に覚えている、というか忘れられない出来事が園で起こった。その男の子が、一人の女の子のスカートとパンツを脱がせてしまった。

すごい雨の日で、私がその出来事を知った時、女の子は全身びしょぬれでベランダに下半身裸のまま立って泣いていた。先生が体を拭いてあげていた。何が起こったのかよくわからなかったけど、なんとなくそういう出来事だったとわかった。

とにかく悪い男の子だったけど、この子も根はひどい子ではなかった。と思う。その当事者2人は同じ中学へ進んでいた。高校で、その女の子と同じ学校になった私は、彼女とその男の子がわりと仲良かったことと、その男の子が途中で中学をやめてしまったことを知った。やっぱりそれなりに悪くなってしまったらしいが、ひどい子ではなかったと彼女も言っていた。

そういう心の傷になりそうな出来事がありながらも、さらりと付き合いが続いていたりするそういう関係も、正直、少し驚いた。でも子供同士のことだし、実際何がどう起こったのか子供の私には知らされることはなかったので、本人たちにしかわからないこともあるのだろう。

そして園時代、私はまたしても、この悪い男の子に異様に執着され、(今思うと気に入られていたとわかるのだけど)、いつも側に座らされていた。ほんとうにまるで鎖につながれると同じくらい、威圧的だったし、ほとんど私にしゃべりかけないのがまた怖かったし、でも「ここにいろ」と言われていた。今も覚えているが、トイレに行く時は、トイレの前までついてきて出てくるのを待ってくれていた。

そんないろいろが思い出される保育園時代、さぞつらくて行きたくなかったことだろう・・と思う。母も、行く時はずっと泣いていたと言っていた。でも不思議なもので、今思い起こすと、つらかった気持ちってほとんどない。力のある子達に変に執着される私だったが、思い出したくもない記憶でもない。この年齢の時って、そういう不思議な時なのだろうか。ちょっと嫌なことしあったり、けんかしたりしても、さらっと水に流せるようなそんな関係の頃なのかもしれない。けっきょくは、みんないい友達ばかりだったということかも。

私は小さい頃からおませさんだったので、好きな子もいた。やさしいかわいい顔をした男の子だったので、面食いだったのだろう。その子には同じクラスに幼なじみの仲いい女の子がいたので、そんなに仲良く話すことはなかったけど、その子がいたから楽しく通っていたのかも。

てべこも、もうそういう年齢にきているんだなぁと思う。私の記憶に、保育園でのことが残っているように、今のお友達とのあれこれも、てべこの心に残っていくんだな。大人になった時に、どんな風に思い起こされるんだろうな。